インターフェロン治療日記:2011年3月10日(窓をせしめる/投与から003日)

C型慢性肝炎(インターフェロン治療)による入院4日目。

6時ちょうど、起床。頭痛がひどい。
体温は37度。寝ている間は発熱しているらしい。
もうひと眠りする。
7時、起きあがってブログの更新。

体重測定95.4kg。昨日、便通あり。
退院までに93kgくらいまでは減るだろう。
適度な運動がしたい。

◆08時05分/朝食:ご飯(180g)、味噌汁(菜っ葉)、酢の物(きゅうり)、焼き魚(サバ)、なめこおろし、牛乳(180ml)。606kcal、タンパク質22.6g、塩分4.0g。

やっぱり頭が痛くて辛いので、
朝食後もベッドにもぐり込んで眠る。
副作用とかじゃなくて、単なる寝不足という線もある。
入院してからの方が、睡眠時間が短いような気もするし。

9時35分、血圧測定129の68。いつもより低め。
看護師さんに、頭痛、めまい、背・腰・首・胸の筋肉痛を伝える。
さりとて、湿布を貼りますか、と聞かれると、
なんだかそこまでじゃないような気がして遠慮してしまう。
それでも、けっこう痛いのだが。

本を読んでも頭に入らないし、
入院中のポリシーに反するが、今日は休日にする。
予定していた仕事は、まだいくつもあるが仕方あるまい。
ふだんでも頭痛がするときは、仕事さぼり気味だし。

11時ころ、看護師長の見まわり。頭痛とめまい、身体の痛みを伝える。
アマゾンから届いた荷物を渡される。(SONYの小型ラジオと書籍を購入した。)
「高山さん、ベッド移りましょうか?」
おおおおおおお、なんたる福音。
昨日の午後から今朝までベッドは空いていたが、
のぞみ薄とあきらめていたのに。
ありがたい、ありがたい。いっきに気分が晴れる。

人間と荷物が移動するのかと思ったら、
看護師さんが二人来て、ベッドと頭床台を移動させる。
余計な仕事を増やした感じで申し訳ない。
というわけで、念願の窓際ベッドを確保した。
やはり、眺めは良い。
眼下の街並みはなんてことはないのだが、
戸井の汐首岬、陽光輝く津軽海峡、
そして下北半島(大間崎)までくっきりと見渡せる。

しかも、これみてよ。

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◆12時32分/昼食:うどん(1玉?)、天ぷら(かぼちゃ)、サラダ(キャベツとチーズ)、バナナ。420kcal、タンパク質11.7g、塩分4.7g。

うどんである。麺類である。天ぷらである。
サラダにはチーズである。
素晴らしすぎる。
どんぶりに浮かぶ油膜を、遠慮無くすすりこむ。
ヤケドするくらい熱いものが好きなぼくには、
まったくものたりない温度だが、
俺は病人なのだ。これでいいのだ。七味を振りたい。
続けざまに、悪口じゃないけれど、こうるさいことを書いていたので、
がつんと喰らわされられた気分だ。もちろん、うれしい。
結局は食べ尽くすのだけど、
これはどれくらいのカロリーなんだろう、
カロリーオーバーしてるんじゃないかとも思う。
とにかく幸せである。


14時、主治医(さっちん)の回診。
開口一番に「あ、窓際を獲得したんですね」と。
めまい・頭痛・上半身の筋肉痛を伝えるも、
インターフェロンの副作用の可能性は低いという。
やっぱり引きこもっているからかしら。
散歩しても良いですか、と聞くと「もちろん」ということなので、
さっそく出かけることにする。

外出の申請書をもらうために、ナースステーションへ。
不審がられるも、主治医の許可をもらったので、と伝えると
医師に確認してみますとのこと。
ちょう先生が戻ってきて、「えー、散歩って外出ってことー?」
うーん、とうなった後で「ま、いいけどねー」と軽く許可。
いま、かなり適当でしたよね、と指摘しておく。
無理しないでね、と送り出された。

14時半、病院を出る。今回の制限時間は1時間半。
病院を出て最初に感じたのは「香」だった。
うまそうな香りが漂っていやがる。気のせいだろうが、酒の香りまでするようだ。
行啓通のゆるい坂を下りながら感じたのは「色」である。
病室ではテレビを観ていないので、
動く色と言えば、白いナース服と水色のパジャマくらいだ。
街には色とりどりの服を着た人たちが行き交い、
これまた色とりどりの自動車が走り去っていく。
「音」もそうだ。街の喧噪も、今日は心地良く頼もしく感じた。

風は冷たいが陽光は春の暖かみを湛えている。
亀田港町の自宅まで歩いて、自転車で戻ってこようかと思い歩を速める。
しかし、田家町あたりまで歩いてきたら、歩道に雪が残っているので、
今日のところは止めておくことにした。

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◆亀田川の五稜郭橋から。

みちのく銀行でお金をおろし、盲学校から教育大通りへ。
テーオーデパート4階のダイソー(100円ショップ)で洗面器を購入。
隣の書店で、ロードバイク(自転車)のカタログを購入した。
デパートを出て、並びのアルペンへ。
入り口すぐのところに自転車コーナーがある。
残念ながら、ここではお気に入りのメーカーの自転車は扱っていない。
さっきお金を引き出してしまったし、
この真っ赤なウェアが欲しいなぁと手を伸ばしかけるが、
いやいや、やっぱり自宅の近所にあるショップで買うべきだな。
いつも、ずいぶんとサービスしてもらっているし。
長谷川さんが購入したキャノンデール「BADBOY」も展示してあった。
カタログ写真も印象的だったが、
実車も強い存在感のあるシクロバイクだ。

店を出て病院へ向かう。
ベルクラシック前の歩道が、びっくりするような残雪。
たぶん、一日いっぱい日陰なんだろう。
堅く凍ったつるつるの路面は、
お盆過ぎまでそのままじゃなかろうかと思うくらいだ。
客商売だろうに。目の前の歩道の雪割りくらいしたらよかろうと思う。
ご立派な建物の影響で、いまだ雪が残っているのだし。
新郎新婦を祝福に来て、転んで足の骨を折るようなことがありませんように。

第一生命の前で、知り合いに遭遇。
大妻高校の2年生だった。「おう」と声をかけてすれ違う。
学校以外で会うと、ちょっと照れくさいもんだ。

15時50分、病院着。
1階のローソンでゼロコーラを購入していると、
副院長に声をかけられた。「だめだよ、ジュースを飲んじゃ」。
いやいや、これはゼロカロリーなのだ、と訂正を求める。
このブログの話になって、給食の件を聞いてみた。
やはり、五稜郭病院と同じ業者だという。
恐縮なことであるが、記事中でおこなったいくつかの提言は、
管理栄養士さんに伝えられたとのこと。
追々、中央病院は食事療法に秀でた病院になっていくかも知れない。

散歩に出かけて(ついでにベッドも移動して)すっかり気分は晴れたが、
やっぱり上半身の痛み、めまいは良くならない。
こいつが副作用かどうかを見きわめたいところだが。
もし副作用だとしても、だんだんと身体が慣れていくものなのか。
血流が悪いのかとも思い、ベッドの上で軽くストレッチなぞしてみる。

主治医が再訪して、リバビリン(レベトール)の説明書を置いていった。
「高山さん、こういうの好きでしょ」。さすが、わかってらっしゃる。
A4紙で15枚もある。仕事なら「テキストデータでください」ってところだ。
「劇」とか「警告」「禁忌」とか「慎重投与」などの文字が並ぶ。
いくつか、先生がアンダーラインを引いてくれていた。
精神神経系の副作用として「頭痛(86.0%)、めまい(5%以上)」、
神経・筋系には「筋肉痛(60.7%)、背部・腰部痛」とあるから、
インターフェロンではなく、リバビリンの副作用なのかも知れない。

ちょっと神経質になっているのかも知れないが、
ちなみに「神経過敏」も副作用だ。

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◆18時01分/夕食:ご飯(180g)、味噌汁(豆腐)、煮魚(ホッケ)、ナス(たぶん煮たやつ)、和え物(ちくわ)。575kcal、タンパク質27.1g、塩分3.7g。

本当に小料理屋に来たみたいだわ。
亀田港町「やえちゃん」に行きたい。
うずうずする。

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◆これも、退院後を見すえての食事(生活)訓練である。

つー、わけでキリン「オールフリー」を飲んでみる。
糖尿病での入院時よりも、食事・体重への緊張感がゆるい感じがする。
 もちろん、間食とかしていないけど。
 治療にマイナスな行為しない。せっかく俺の大好きなお金から、
 入院費用を泣く泣く捻出しているわけだし。そんな無駄はしない。
病院ローソンで売ってるんだもの。しかも、いまならローソンポイントがプラス20点。
さすがに酒類は販売していない。

味わうってのは、本当に大切なことである。
分量も少なく、アルコールも皆無であるが、
すっかりその気で、きっちりと満足をさせていただいた。

退院後も、できればたまに酒は飲みたいと思っているが、
インターフェロンの治療結果が出る48週間は、
基本的にこの食事法(擬似飲酒法)を極めていかなくちゃいけない。
たぶん、大丈夫だろうとは思っているが。
そのために、C型肝炎の治療を公表したのだし。

21時半就寝。
3時ころ起きて、携帯電話でツイッターのやりとり。

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コメント(2)

内科の病院にいるだけで、神経は過敏になりますよ~!

しかし、天ぷらとおうどんには、癒されますね。
なんて力強いメニューなんだ!
逞しいわっ

糖尿病患者であっても、
きっちり血糖と体重のコントロールができていれば、
こういうメニューもきっちり食べられる、という好例だと思います。

このボリュームは驚きましたが。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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