インターフェロン治療日記:2011年3月11日(激しくゆれた日/投与から004日)

C型慢性肝炎(インターフェロン治療)による入院5日目。

とにかく、この日も良い天気だった。
体重94.8kg。
血圧124の75。
体温35.9度。

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◆08時04分/朝食:ご飯(180g)、目玉焼き、うめびしお、おひたし(もやし)、味噌汁(キャベツ)。596kcal、タンパク質17.3g、塩分2.7g。

◆病室からの景色。

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◆12時29分/昼食:ご飯(180g)、青椒肉絲(牛肉とピーマンの千切り炒め)、ひじき煮、キウイ。639kcal、タンパク質20.3g、塩分3.8g。

きれいにタケノコは残す。
小学校1年生の給食以来、食べられないのだ。


主治医の回診。
9日の日記で「肝臓が丸みを帯びているから脂肪肝」というセリフは、
ぼくの聞き間違いだという指摘を受けた。(当該箇所はあとで訂正しておく。)
要因はどうあれ、肝炎の症状があると肝臓が丸みを帯びるそうだ。
つまり、画像から「脂肪肝」であることは判断できない。
先生は「尾状葉(びじょうよう)」の形状が変わると言っていた。
ぼくの場合は、
 ウィルスの検査でC型肝炎であることがわかり、
 血液の検査などで脂肪肝であることがわかり、
 食生活の調査と血液検査の結果からアルコール性肝炎の影響がわかり、
かつ、年齢が若い(肝臓の回復力が期待できる)ので、
インターフェロン治療をすすめたという経緯。

C型肝炎に対する食事療法について質問。
関連本を読むと、鉄分の過剰摂取に注意する、という説明があるが、
入院中の食事には「鉄分がたっぷり」というチーズが出たり、
鉄分含有量が多い海藻(ひじき)がメニューに出てきたため。
 「高山さんの場合は、そういうレベルではなくて、
  食べ過ぎや飲み過ぎを控えて、体重を減らして肝臓の脂肪を減らすこと。
  それが、なによりの(脂肪肝を要因とする肝炎の)治療になります。」
一般的な食事量なら、問題がないということ。


13時過ぎ、外出。
電車通りを函館山方面へ向かって歩いていく。

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◆13時27分、堀川小路のベンチ。

ハローワークのところから大門・市役所まで続く広小路を歩く。
日陰になる歩道は、やはりまだ雪が残る。

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◆13時49分、駅前の大門商店街。

1年半に1回の頻度でウォーキングシューズを購入している
靴店に顔を出す。そろそろ、買い換え時なので。
(一昨年の入院時にも、ちょうど靴を購入している。)
ところが、足を見てもらっていたシューフィッターさんは退職されたそうで。
がっかり。さいわい、お気に入りの靴(月星のワールドマーチ)は、
定番品として同じ商品を取り寄せることができるので、
いずれかの方法で購入することにする。
それにしても、残念だ。退職されて1年くらいたつという。

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◆14時09分、海岸町の開かずの踏切。

海岸町の事務所で郵便物の整理。
病院へ戻る時間は16時だ。
いくつか仕事の資料をコピーしながら、
そろそろ病室へ帰ろうかと考えていた矢先に、
ぐらぐらとゆれだした。14時46分。
となりの女子社員が、すばやくストーブを消す。
長いゆれだ。
岸壁から200メートルほどの立地である。
良い気分がしない。
まだゆれているのを感じつつ、仕事部屋にある小型のテレビをつけると、
大津波警報を報じている。
こりゃ、やばいなと感じて、
ひとまず隣の社員と一緒に建物から出る。
14時49分、あたりを見まわすと、近くに駐車してあったクルマが、
勢いよく前後に入れていた。
とっさに、抱えていた一眼レフカメラをビデオモードにして撮影。
詳細を確認していないが、
やはり津波が気になるので、隣の社員にここから離れることを提案する。
ついでに、クルマに乗せてもらって、病院の近くまで送ってもらった。

丸井今井函館店のあたりから、電車通りを病院まで歩く。
幾人ものひとが、建物を見上げながら不安げな顔をしている。
たちか屋の前を通ると、以前お世話になった店長も
お店の前に出てきていた。
 「ゆれるたびに、出たり入ったりですわ」と。

病院内も騒然としている。
エレベーターの使用を控えてほしい、という館内放送がかかる。
病棟に戻ったら、出歩けなくなるだろうな、と思いつつ
心配をかけるのもよくないと考えて、6階の病棟に戻る。
看護師さんたちは冷静であるが、
患者はみんなテレビに釘付けである。

おれ、病室に寝転がっていていいんだろうか、と思いつつ
散歩で汗ばんだ身体も気になって
看護師さんに「お風呂に入っていいですか?」と聞いたら、
余震が続いているので今日は遠慮して欲しい、と断られた。
そりゃそうだ。

WEB管理の仕事をしている青函フェリーに電話。
大津波警報による函館港への入港制限で、沖どめ欠航中とのこと。
函館市内でも津波を警戒する報道が目立ち始める。
現場が気になって、ふたたび外出許可を求めるが、
それは危険ということで許されなかった。
いま思えば、外出できても役に立たなかっただろうし、
ありがたい判断をしてもらえた。


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◆18時18分/夕食:ご飯(180g)、焼き魚(さば・大根おろし)、ゆで野菜(白菜)、味噌汁(たまねぎ)、豆腐あんかけ、マカロニサラダ、パイナップル。534kcal、タンパク質27.0g、塩分4.1g。

よくよく見たら、奥尻島も大津波警報の地域になっていたので、
ようやく妻に電話をしてみるが、ぜんぜんつながらず。
消灯時間を過ぎるが、看護師さんにお願いしてディルームにて待機。
22時過ぎ、ようやくつながった。
ゆれたの気がつかなかったよ。と呑気な声がした。

けっきょく、夜もなかなか眠ることができず、
ツイッターに流れてくる情報から目を離すことができなかった。

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コメント(2)

 私も来月の血液検査で肝炎ウィルスの項目を入れて貰うことをお願いしました。
 てっきり、以前から検査対象になっているものと思い込んでいました。
 肝臓の検査値は悪くないのですが、疲労感がありますね。
 呼び掛けられたように皆検査すべきですね。

 情報有難うございます。

 それにしても、ほんと病院食ですね。

いちど検査をしてしまえば安心ですので。

この食事は23単位(1840kcal)なんですが、
あまり身動きをしない環境では20単位(1600kcal)でも大丈夫な感じです。

粗食も小食も対応できるのですが、
いったん退院してしまえば、元の木阿弥にある可能性もあるので、
なるべく「意識」を持続していきたいと思います。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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