2016年12月12日(月) 入院4日目

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6時前に起床。
体重測定102.1kg。
前日から1.4kg減、入院初日から3.8kgの減量。
そんなはずないだろ的な数字。

健康的に空腹。
そして朝食。

米             195g 4単位:160kcal
みそ汁(とろろ昆布)    1杯 0.5単位:40kcal
肉じゃが          1皿 1単位:80kcal
ツナおろし         1皿 0.5単位:40kcal
小松菜おひたし       1皿 (野菜はカロリー計算せず)
※牛乳           180ml 1.5単位:120kcal
【7.5単位:600kcal 12時25分】

これに納豆と梅干しを加えて、
量を3倍にするとビジネスホテルの無料朝食になる。

9時前、看護師の巡回。
血圧測定140/89。朝は高めに出るのでこんなもん。
ただし、血圧の薬は服薬している。
看護師さんに検査結果の出力をお願いする。
あとでターゲスの数値だけもらった。通常の血液検査はしていないようだ。

パジャマの着替えが届く。
こちらの病院では1週間に2回(月曜・木曜)の交換だったはず。
サイズは3L。
腕と脚の裾をすこし捲るのが俺なりのおしゃれポイント。

11時前、お隣の患者の様子を見に来た看護師長に、
たぶんついでに声をかけられる。
ちょっと大きくなりましたね、と腹のあたりを見られながら言われた。
ああ、そう言えば顔に見覚えがある。

ブログを執筆して更新していたらお昼前。
今日の昼食はなにかしら。

米             195g(25%残す) 3単位:240kcal
ちくわ磯辺揚げ       1皿 1.5単位:120kcal
ふき炒め          1皿 0.5単位:40kcal
【5単位:400kcal 12時30分】

ひどい。メインの見た目が。食べても予想通りの味。
お前は病人なのだ。入院患者なのだ。と、再教育されているようなメニュー。
蕗(ふき)は好物なので、それがせめてもの救いだった。

今日は自宅まで散歩するので、
昼食後にさっそく外出届を書いて13時には出発。
歩道の雪はおおむね消えたが、日陰は凶悪な凍結路面。
五稜郭公園の手前で、
まるで踊るかのように豪快に滑ってコケそうになっている人を見た。
観光客も歩くのだし、ここはどうしても日陰になるのだし、
道新前から五稜郭タワーまでの歩道は、
完全に除雪・融雪するようにすりゃいいのに。

先月くらいから気になっていたが、
五稜郭の濠は冬場に水を抜く(減らす)のね。
毎年そうだったのかな。
正門側(タワー)の有る方は水位がそれほど下がっていない。
こちら(裏門側)が高い位置にあるのがわかる。
ゆるやかに傾斜した日吉段丘面を利用して、
亀田川の水を引いて溜めたのが五稜郭の濠だ。

image2.JPGimage1.JPG

この2カットは裏門の橋上から撮影。

image4.JPG
image5.JPG

こちらの2カットは11月27日に撮影したもの。


帰宅。家人は墓参りとか飯寿司づくりとかで不在。

大好きな袋入りインスタントラーメンが気になって仕方がない。
ファクシミリ3通。郵便5通。宅配便1個。
ずいぶんな病気を抱えているわりには、
函館古地図カレンダーなどを精力的につくったり(俺は手伝わされたり)している
朋友の星野さんから架電あって、
ふたりで書きあげようとしている書籍の資料について。
知ってるいるかと問われた古い雑誌のタイトルを聴いて、
たしか何冊か持っているはずだ、と思い出す。
さっそく2階の仕事部屋の書棚を探すと、やはりあったあった。
それなりにものを持ってるな。さすが俺。

古書の購入理由ってのはふたつある。
明確に調べたいものがある場合と、
いつか役立つだろうから買っておくか、というものだ。
後者については金銭的精神的保管場所的な余裕がないとできない。
もともと本好きではあったが、
独立して稼げるようになって最初に使ったのは、
書籍資料の収集だった。手当たり次第に。
当時、図書館は青柳町にあって、俺には遠いし使いにくい施設だった。
重厚な建物で雰囲気はあったけどね。
インターネットでの資料検索もできなかったし。
だから、とにかく役立ちそうな資料(郷土史本)は、
高くても気にせずに買いまくった。いつか役立つはずと信じて。
いまのところ、投資ほどバックがないようだが。

この数日の散歩で、
冬に出歩くには装備が貧弱であると痛感したので、
自宅を出るときマフラーと手袋を身につけた。
帰宅途中の学生を追い越しながら、17時ころ病院に戻る。
やはり身体は芯から冷えてしまった。
病室へ戻る前に1階のドトールでブレンドコーヒーをテイクアウト。

ほどなく夕食。

米             195g 4単位:320kcal
擬製豆腐のあんかけ     1皿 3単位:240kcal
きんぴらごぼう       1皿 (野菜はカロリー計算せず)
【7単位:560kcal 17時50分】

「擬製豆腐」ってネーミングは、よっぽどセンスがないね。
本物に似せてつくるって意味でしょ。
味や素材まで偽物っぽく感じてしまう。
名前の由来がちゃんとWikipediaに掲載されてる。
ちなみに、主菜としてしっかり働けるくらい美味しい料理である。
豆腐・卵・野菜・ひき肉が入っていた。

【本日の食事量総計】
19.5単位:1560kcal(設定値:21単位1680kcal)

ネーミングと言えば、糖尿病という病名について。
ぼくはなるべく「慢性高血糖症(糖尿病)」と表記しているのだが、
これば病名からの誤解をなくしたいからだ。
この件については初回の入院時(2009年)にも書いているので
その部分を引用しよう。
  最近話題の医療メディアのような盗用ではありません。
  自分の文章だけどね。

--- 採録引用ここから ---

13時55分、いったん病室に戻ってから、すぐに糖尿病教室へ。
今日は外部講師(糖尿病の専門医、らしい)の講義。実は楽しみにしてた。
内容は糖尿病とその合併症に関する基本的なお話。
ビデオなどより、生の説明の方が知識が頭になじみやすい気がする。
ただ、30分という時間は短くて、早口で一方的な講義になってしまっていた。
「話したいことは、まだまだたくさんあるんですが、時間が来たのでここまでです。」
せっかくなので、居残っていくつか質問。少し取材モードに。
「正常な人は、食後の血糖が基準値をオーバーしないんですか? それとも、オーバーしても、短時間で下がるんですか?」
「越えないんですよ。それが正常な状態なんです。」
「講義の最初に、『糖尿病』という病名は、病気の態を表していないと言ってましたね。僕も、その響きというか印象の点から、名称を変えた方が良いと思うんです。」
「医師の方でも、糖尿病と聞くと、甘い物を食べすぎた患者とイメージする人もいるくらいで。私は『慢性高血糖症』あたりが良いと思っているんですが。」
「糖尿病という名称は日本独特のものですか? それとも、やっぱり西洋医学用語の直訳ですか?」
「直訳ですね。『甘い尿』と呼びますから。病名については、この先十年とか十五年たったころには改称されている可能性はありますけど、今のところはこのままです。」
もっと話を聞きたかったな。

--- 採録引用ここまで ---
ブログ「函館のイカがうまい理由」
糖尿病入院日記:2009年7月14日(病気を知る、病気を防ぐ)より

引用文に出てくる「糖尿病教室」というのは、
入院時に受講できる(受講を義務づけられる)病院内の講座のこと。
糖尿病をこじらせた場合、
2週間の「教育入院」から治療をスタートするのが一般的だろう。
その間に、病気・運動・食事・合併症などを講座で学んでいく。
これはかなり役に立ったと思う。

ネーミングの他に、高血糖症状になる要因の違いで
「1型」と「2型」に分類されるのだが、
ここにも誤解が生じるタネがあると思う。それはまた今度に。

21時の消灯後、1時間ほどスマホでニュースなどを読む。
午前2時ころ、同室のふたりの会話で起こされる。
遠慮がない声量で思わず舌打ちをしてしまった。
聞こえてはいないようだが。
こんなことでイライラすると病気にもよくないので、
それもこれも楽しむように心がける。
そう思って耳を傾けていると、笑いがこみあげてきた。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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