2017年12月23日(土)糖尿病・腎臓病での入院 23日目

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 6時起床。血圧測定132/85。二度寝。
 7時起床。血糖値測定102。いいじゃないか。
 体重測定100.4kg(前日比−0.6kg)。入院後の最軽量を更新。便秘傾向だし微増だと予想していたので驚き。体重計の誤作動もありうる。三回計り直した。

 7時49分、朝食配膳。インスリン(ヒューマログ)10単位注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁、サバの塩焼き、モロヘイヤおひたし、キャベツとひき肉の炒め煮、ふりかけ(在庫へ)、牛乳(在庫へ)。生野菜を追加。

 9時半、血圧測定140/80。じわじわ上がってる。いま血圧が高いな、という自覚症状もある。血圧をなだめるか、腎臓を守るか。悩ましいところなんだろう。

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 ちなみにこれがインスリン注射。とにかく驚くほど痛くない。人間にとって痛みとは発明の母なのかもしれない。

 12時の血糖値101。素晴らしいじゃないか。
 12時23分、昼食配膳。インスリン(ヒューマログ)10単位を注射。

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◆ごはん195g、かに玉あんかけ、ミツバおひたし。生野菜を追加。ふりかけを追加。

 献立表にはオムライスとあったが。
 昼食前の血糖値が低めで、午後から自宅まで歩かなくちゃいけないので、ごはんを残さず食べる。在庫のふりかけを投入しても食べきれず、こっそり隠して持っている減塩昆布だし醤油を数滴ふって口に押し込む。こういうメシもうまい。
 かつお節に醤油を垂らして熱湯をかけてさらさら食べるのも好きだ。ジンギスカンがメシのおかずだったころ(いまはビールの相手なので)は、肉の質なんかはどうでもよくてベルの「成吉思汗のタレ」さえあればメシを何杯でも食えた。
 そう言えば、昔のラム肉(丸く整形された冷凍肉)は筋張っていて、いまより品質は悪かった気がする。安かったしね。タレにつけると虹色の脂が浮くんだよな。

 13時、病院出発。気温は高め。幹線道路の車道にはすっかり雪はなし。除雪をサボっている歩道は最悪の状態。それでも街中はだいぶ歩きやすくなった。五稜郭を過ぎて亀田川沿いの遊歩道ルートに向かう。猛吹雪の時に失敗したが、今回もこのルート選択が誤りだった。踏み固められた細い道筋が、暖気で解けて路盤が弱くなり俺の体重には耐えられない状態に。ひと足ごとにずるりずるりと足が滑って埋まり、歩きにくいことこの上なし。ひーひー言いながら帰宅。
 すぐにパソコンを開いて、昨夜あきらめたデータをダウンロード。1GBほどだが5分かからずに完了。データをチェックして、印刷所へアップロード。こちらも5分かからず。
 シャワーを浴びる。ピーさんと遊んでいるうちに睡くなったので昼寝。

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 帰りは家人にクルマで送ってもらう。住宅街にある小路の道路は、雪がぐずぐずに解けてひどい状態。非力なクルマは埋まってしまうほど。
 17時の血糖値114。
 17時半、血圧測定133/72。
 17時49分、夕食配膳。インスリン(ヒューマログ)10単位注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、南蛮漬け(白身魚)、野菜サラダ。生野菜を追加。

 献立表には「とんかつ」という文字が輝いていたのだが、やっぱり俺の目の前に饗されることはなかった。わかっていたよ。でも、南蛮漬けも好き。

 そろそろ退院も近づいてきた。この入院中におこなった治療のメインは、食生活の改善と言って良いだろう。初日の昼食から今日の夕食まで68回の病院食(カロリー・塩分・脂質の制限食)を食べて、もろもろの数値も改善傾向にある。
 健康な食生活を送るためには、お金と時間がかかる。それは高級というわけではなくて、丁寧さと上質さを求める必要があるからだ。この理想的な食生活を、これから死ぬまでどれくらい忠実に守っていけるのだろうか。年齢を重ねて、あまり働けなくなり収入も減っていく現実に直面したとき、高品質の食を求める財力と気力があるのだろうか。いまのこのカラダの状況では長生きは望めないが、ごく短いだろうけども、たどり着くかもしれない老後を心配したり。貧困に陥れば治療費も捻出できないから、早く死んじゃうかもしれいないしね。
 いまの日本はすごい勢いで弱者に厳しい世の中になってきているので、心暗い結末が当然のように見えてくる。正直、ここ数年で日本社会の質は加速度的に劣化して、日本という国自体に誇るべき部分を見つけるのが難しくなっている。地域の一員である自覚はあるが、日本国民という意識は薄れているというか拒否したいのが正直な心情だ。

 21時の血糖値114。おお、これで今日の4回の計測はすべて正常値の範囲内だったな。食事量は自分計算で1240kcalだから、退院後に維持するのは難しい数字ではあるが、ともあれ血糖値を低くコントロールできたのは良いことだろう。
 インスリン注射(トレシーバ)20単位を注射。看護師がじっと見つめる中で注射するのは、しなくていい緊張を強いられるものだ。しかも、ことさらスムーズに手順を進めようと背伸びして、すこし汗なんか垂らしたりして。
 消灯。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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