糖尿病【入院】日記: 2016年12月アーカイブ

6時前に起床。
体重測定104.1kg。昨日から1.8kg減。
なにを溜め込んでいたのだ。

今朝から2日間の蓄尿がはじまる。
1日目は「C-ペプチド」の測定で、これにより膵臓からインスリンがどれくらい分泌されているかを知ることができる。これまでの入院では、まだ充分に膵臓は機能しているという検査結果だったが、齢43を越えて内臓のくたびれ具合が気になるところだ。膵臓が限界に達すると、インスリン注射が必要になる。

起き抜けに採血。
昨日からのターゲスのつづきだ。あと1回で終了。

窓の外は雪。
7時45分、朝食の配膳。



米             195g(25%残す) 3単位:240kcal
味噌汁(お麩)       1杯 0.5単位:40kcal
蒸しかまぼこ        2切 1単位:80kcal
五目卯の花         1皿 0.5単位:40kcal
山吹和え          1皿 (野菜はカロリー計算せず)
※牛乳           180ml (1.5単位:120kcal/飲まずに保管)
【5単位:400kcal 7時50分】

同室から1人退院。何度も入退院を繰り返しているようだ。
帰ってビールと日本酒を飲むのが楽しみだと、朝から叫んでいた。
退院のおすそわけ(?)に箱ティッシュをいただく。

とくに何事も無く昼食の配膳。



米             195g 4単位:320kcal
親子とじ          1皿 3.5単位:280kcal
チンゲンサイの海苔あえ   1皿 (野菜はカロリー計算せず)
【7.5単位:600kcal 12時30分】

迷った末に、皿もの料理(親子とじ)をご飯にかけてしまった。
つゆだくな親子丼風になり、さらさらとご飯を完食。
いや、全部食べても問題の無いカロリー計算がされているのだけれど。
食後はレギュラーコーヒーを淹れる。

昨日届いていたサッポロ堂書店の目録から7冊1万5千円ほど注文する。
以前は書籍については後先を考えずにがんがん購入していたが、
最近は稼ぎも少ないので、
手もとにあったら便利だろうというものに絞っている。
事務所(自宅)と図書館は歩いて15分の距離だし。
古書店で1棚購入したころが懐かしい。貯金しておけばよかった。

ぼちぼちと仕事のメールや資料読みなどをして過ごすが、
ふだんから長時間どっぷり連続して仕事しているわけでもないので
とくに検査も回診もない土曜日の午後を持て余す。
我慢できずに外出を届け出て散歩することにした。

病室で「ポケモンGO」を起動すると、
やたらめったら「コイル」が出てくる。これが「巣」というやつか。
あとは「ビリリダマ」も頻出。「ピカチュウ」もぼちぼち。
よろこんで次々と捕まえていたら、
あっという間にモンスターボールが払底したので、
ポケストップめぐりをしなくてはならない。
そんな使命を帯びつつの散歩だったが、
めっぽう寒いし足もとはつるつるだし指先は冷たくて痺れるしで、
1時間ちょっとで退散してきた。それでも気分はすっきり。



米             195g 4単位:320kcal
鮭のゆず味噌焼き      1切 3単位:240kcal
すき焼き煮         1皿 1単位:80kcal
【8単位:640kcal 17時50分】

夕食の豪華さ(入院中の尺度による)に小躍りしながらビール風飲料を開栓。
昼食に続いてご飯を完食してしまった。
お米に関してはふだん以上に食べていることになる。
調子に乗りすぎたのか、食後に猛烈な胃もたれ。

入院日誌(このブログ)を書き継ぐにあたって、
これまでの振り返りも必要だろうと、過去の検査データを振り返りながら整理をする。
これは一覧表にしてあるので、今後このブログに掲載するつもりだ。
同病の皆さんには参考になるはずで、
病気かもしれないけど病院を嫌がっている人にも役立つはずだ。

食後にそんな作業をしていたら、18時半ころ背中から声をかけられる。
主治医の回診だった。今日はないものと思っていたが。
医師は私服姿で、ついさっきまで外にいたのか顔が赤かった。
ただらなぬ雰囲気を感じ取る。
検査数値データは示されなかったが、
腎臓に関する数値(クレアチニン)が良くないので、
影響のある薬を変更するという。
具体的には糖尿病薬のメトグルコを中止。
たしかに、この薬をはじめるときに、
血糖値を下げる機能は優秀(インスリン分泌を強いることがない)だが、
腎臓には良くない影響を及ぼす可能性もあると説明されていた。
さらに、やはり糖尿病薬のネシーナ(DPP4阻害薬:血糖値に応じてインスリンの分泌を調整できるので低血糖症状になりにくい)を、テネリア(同じくDPP4阻害薬)に変更。テネリアは腎臓への影響は少ない薬のようだ。
血糖を下げる薬は減ることになるが、
入院中は食事管理が厳格なので、それで相殺できるはずという見立て。
血圧の高さも異常値(降圧剤を飲んでいるが)で、
あと数日様子を見ても高いままなら循環器の医師と相談して、
新たな薬を考えるとのことだった。

すこし呑気な入院と構えていたのが、
あらためて過去の検査数値データを見返してみても、
ここ半年の悪化っぷりは顕著である。
毎月定期的に検査と診察を続けているわけだが、
それを流れ作業のように軽んじてしまったツケだろう。
大いに反省。すこし気分が沈む。すこしだけ。

21時消灯。
今夜も素直にベッドに入るが、
病気について考えを巡らせているうちに午前様になっていた。
その後は楽しいこと(退院したら飲みたいお酒)を考えながら眠る。

入院した。
前回(2014年10月)から2年ちょっとぶりである。
2009年から毎年入院していたので、自分としては久しぶりだ。
ここ1年ほど体重の管理がずたずたで、
それにともなって各種数値が悪化の一途を辿っており、
糖尿病だけでなく、そろそろ腎臓もマズイ状況になってきた。
そんなわけで、
治療意識をリセットする(リスタートする・リブートする)意味でも、
入院が必要だろうと判断した。
今回の入院治療の主題は「食事制限」である。

入院前日、持ち込む荷物をまとめる。
慣れていないころは大荷物を用意したものだが、
今回は着替え2日分とノートパソコンと仕事の資料と洗顔用具くらい。
まずはリュックひとつで入院することにした。
と言っても、後から家人にあれこれ持ち込んでもらう荷物もまとめてある。
入院前1週間くらいは節制しようと考えていたのだが、
結局は3日前まで大酒をくらって、
前日の夜も満腹になるまでメシを喰らってしまった。
この幸せもこれまでか。と感慨にふける間もなく就寝する。

あけて当日。
7時前に起きて、病院へ持ち込む荷物を再チェック。
どうしても積み残しの仕事の資料が増えてしまうが、
これは毎回仕方がないこと。
はじめのころは外付けハードディスクまで持ち込んで、
病院の床頭台を完全な仕事机にしていたので、
それに比べるとかわいいものである。
自分としては今朝から治療体制ということで、
ふだんは食べない朝食を食べることにする。


米(こんにゃく米ブレンド) 100g 1.5単位:120kcal
味噌汁(しじみ・即席)   1杯 0.5単位:40kcal
生たまご          1個 1単位:80kcal
梅干し           1個
【3単位:240kcal 8時30分】

外は雨降りだ。
ここ数日では気温も暖かいほうである。
病院にはクルマを停めておくことができないので、
9時45分ころにタクシー会社に電話して配車を依頼する。
5分後には到着。荷物を抱えて乗り込んだ。
運転手さんに「函館中央病院まで」と告げると、
往復割引のチケット(当日用)は入り用かと聞かれる。
「いやー、今日から入院なんですよ」と笑って返事をしたら、
それはまた失礼しましたと運転手さんも笑っていた。
そこからずっと運転手さんの入院話(胆石)を聴く。
道路は渋滞気味で病院まで1110円。
この病院は飲み屋街に隣接しているのだが、
深夜に酩酊してこのあたりからタクシーに乗って帰宅しても
1000円ちょっとだから、今日はすこしお高く感じた。

受け付けを済ませて10分ほど待ってから病棟へ。
ここ7年ほど、通院も入院も函館中央病院なので、
ほぼすべての病気情報(病歴・治療歴・入院歴)はデータ化されている。
担当の看護師さんに「2年ぶりですね」などと言われ、
病棟設備の説明も流し気味だった。
まあ、俺もわかってますよ的な顔をしていたのだが。
血圧を測ってもらうと175と出る。
すこし緊張気味なのだろうか。深呼吸をして150くらい。いつもより高い。
この病棟の体重計では100kg以上を正確に計測できないようで、
わざわざ1フロア上の病棟に移動して測定した。
体重105.9kg(病衣・パンツ・Tシャツふくむ)。

部屋はこの病院のなかでもっとも景色が良くない場所。
それでも希望通りに窓側だったのでよしとする。
4人部屋で、俺が入ることで部屋の平均年齢は下がっただろう。
荷物をほどいた後で、あらためて先客3人にかるくご挨拶。
「たぶんイビキがうるさいと思いますので、
 ひどいときは遠慮なく叩き起こしていただいて構いませんので」
お三方から「なんもなんもお互いさま」のお言葉をいただいて、
入院入室の儀式を終える。
このコミュニケーションをやっておかないと、
お互いにギスっとした関係になるので大切なこと。
実際のところ、
物音だけじゃなく隣りあうということ自体がストレスなわけで、
そこを緩和する(許し合う)ためには「ある種の関係性」が必要だ。
あとは窓側というポジションを生かして、
カーテンを7割方引いて同室者からの視線はカットしてしまう。
 以前は全開にさせられたものだが、
 年々カーテンの開閉度は緩和されているように感じる。
ときおり会話にちょっぴり加わって、
なんだこいつ感をうすめることも重要である。
とかやっているうちに昼食。


米             195g(半分残す) 2単位:160kcal
焼き魚           1切 1単位:80kcal
中華風豆腐サラダ      1皿 1単位:80kcal
※牛乳           180ml (1.5単位:120kcal/飲まずに保管)
【4単位:320kcal 12時30分】

柑橘類を除くフルーツの多くは、
食べると耳の奥とか目の周りとかが痒くなってしまうので、
食べるのをなるべく控えている(アレルギーかどうかは調べていない)。
そのため、病院食でもフルーツ分のカロリーを補うためなのか、
米飯がやたらに多い。糖尿病患者の食事には見えないくらいだ。

入院直後からさっそく検査が始まった。
まずは恒例のターゲス(※)ってことで、
今日は11時・14時・17時・19時半・21時に採血をする。
 ※血糖日内変動:食事前後の血糖値の上下を精密に調べる検査。
前回の入院まではナースステーションに出向いていたが、
今回は毎度部屋まで来てくれるようだ。
けっかんが細くて埋もれている俺にとっては、
採血の失敗リスクもあるし、痛がりだしで、つらい検査のひとつ。

15時ころ主治医の回診。
日々の散歩(外出)の許可と、
来週1日だけ仕事の都合で外泊することを伝える。
今回はめんどうな治療行為などはないので、あっさりしたもんだ。
とにかくまじめに食事療法に取り組んで、
5kgくらい痩せて退院したいところではある。

夕方までノートパソコンを開いて仕事をしたり、
寝ころがって惰眠をむさぼったり、
病院内にあるローソンで買い物をしたり。
以前は病衣(病院から借りるパジャマ:1日70円)に着替えること、
そのまま病院内を出歩くことに大きな抵抗を感じていたものだが、
今回はすんなり入院患者の装備でほっつき歩く。
俺も年齢を重ねて厚顔無恥になったということだろう。
17時の採血を待ち構えていたが、どうやら看護師さんが忘れていたようだ。
30分遅れで血を抜いてもらう。

院内にはATMもあるし、
ローソンではクレジットカードも使えるので、
それほど多くの現金を所持している必要はない。
現金を使うのはテレビカード(1枚1000円)くらいなものだ。
テレビは初めのころしか使ったことがないので正確には忘れてしまったが、
だらだら見ているとあっという間にカードの度数を使い切ってしまう。
これは冷蔵庫の使用料の支払い(24時間200度数:200円)もできるので、
もっぱらそれだけのために使っている。
同室の皆さんはテレビを点けたまま眠っていたりして、
カードをどんどん景気よく消費している。
これは実は病院の大きな収入じゃないのかとも思う。

夕食の直前に家人が荷物を持って来院。
これでようやく入院の体制は整った。仕事もできる。


米             195g(25%残す) 3単位:240kcal
あんかけ鶏ハンバーグ    1つ 4単位:320kcal
味噌汁(とろろ昆布)    1杯 0.5単位:40kcal
白菜からし和え       1皿 (野菜はカロリー計算せず)
【7.5単位:600kcal 17時50分】

ビール風ゼロカロリー飲料を飲みつつの晩餐とする。
鶏ハンバーグが見事なくらい脂質分がないのにもかかわらず、
ちゃんと美味しくできているのに驚いた。
ほどよく満足。

消灯までに採血を2回。どちらも手の甲に針を刺される。
ここは痛い。鼻毛10本分くらいの痛み。
21時消灯。今日は初日で疲れたので、素直にベッドに入る。
近隣お三方は深夜までテレビを観ていた。
1時ころトイレに起きて、あとは朝まで眠っていたようである。

プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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